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「Autodesk University Japan 2017」セッションレポート 高解像度&VR の今と未来!最新のデジタルコンテンツ制作環境のご紹介 - Autodesk、DELL、NVIDIA 3社 合同セッション -(後編)

前編より続く)

 

VRを動かす/制作するためのキーワードは「VR Ready」

「オートデスクでは、4K映像を編集するプロフェッショナル向けツールとして『Autodesk Flame Premium』があります。そこで今、デルさんに要望したいのが新しいハードウェアですね。というのも、NHKと総務省が2020年に導入・普及を目指している8Kのスーパーハイビジョンはフレームレートが4Kの倍になる毎秒120コマ。4Kの転送レートが1秒間に2GBですので、2×4倍の解像度で毎秒8GB、プラス倍のフレームレートのために毎秒16GB。毎秒こんなにも大きな転送レートしなければいけないわけです。現状ではそういった大きな転送レートを抱えられるようなバスのハードウェアってないのですね。そこでデルさんにも対応したハードウェアを検討していただけると助かります」(オートデスク梅澤氏)

「次に、今日の二つ目のキーワードであるVRについて話を進めたいと思います」(デル中島氏)

「デルではいち早くVR環境で利用いただく上での推奨のスペックを持つPCに対して『VR Ready PC』というものを提唱しています。ワークステーションとしては、ミッドレンジモデルのDell Precision 5810 タワー以上が該当します。それらのマシンに関しては、Oculus Rift、HTC viveいずれのでも、動作認証、認定をとっているハードウェアとなっています」(デル馬場氏)

 

「VRコンテンツを作る上でも動かす上でもグラフィックスカードが重要になります。そこでエヌビディアでは、VR Ready対応という認証制度のようなものをQuadro シリーズでおこなっています。第3世代のMaxwellアーキテクチャではウルトラハイエンドモデルのQuadro 5000クラス以上でなければVR Ready対応ではありませんでしたが、Pascalアーキテクチャを搭載するようになってからはQuadro P4000以上がVR Ready対応です。ただ、レイトレーシングやレンダリングをまったくやらない状況であれば、Quadro P4000一枚でもVRに対応しますが、やはりSLI(Scalable Link Interface)2枚構成にして、グラフィックスカード2枚並列動作する必要があります」(エヌビディア田中氏)

「私はよく、建築系のお客様のVRデータを見ているのですが、20GB程度の移動メモリがないと厳しいですね」(オートデスク梅澤氏)

「ウルトラハイエンドモデルであるQuadro P6000なら、一枚のグラフィックスカードに24GBのグラフィックスメモリを搭載しています。また、最新のQuadro GP100はグラフィックスメモリが16GBですが、NVLinkに対応しており2台つないで32GBのグラフィックスメモリが使えるようになっています。メモリはHBM2メモリを搭載していて、従来のメモリよりも超高速となるのがポイントです」(エヌビディア田中氏)

「ベンチマークしてみるとQuadro GP100よりもQuadro P6000のほうが上なのですね。しかしメモリがQuadro P6000に搭載しているものよりも5倍の速度を持っていると聞いて。そのため、Quadro GP100とQuadro P6000とはほぼ同じパフォーマンスを出せるみたいですね。また、MaxwellアーキテクチャとPascalアーキテクチャとでは、VRの性能がまったく違いますね」(オートデスク梅澤氏)

「VR性能で言いますと、PascalアーキテクチャのほうがMaxwellアーキテクチャの1.8倍くらいの速さになっています」(エヌビディア田中氏)

「MaxwellアーキテクチャのQuadroを使ってVRコンテンツを制作しているのであれば、絶対にPascalアーキテクチャへ変えたほうがいいですね」(オートデスク梅澤氏)

「ありがとうございました!」(デル中島氏)