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「VR業界の2017年を総括!」レポート(1) ~VR/AR/MR業界振り返りナイト&コンテンツ体験会~

去る2017年12月27日、Mogura VR(http://www.moguravr.com/)主催イベントである「『VR業界の2017年を総括!』~VR/AR/MR業界振り返りナイト&コンテンツ体験会~」が株式会社アカツキにて開催された。

本イベントでは、2017年のVR/AR/MRを総括して、パネルディスカッション Part A「ビジネス領域としてのVRの2017年を振り返る」と、パネルディスカッション Part B「エンターテイメント分野の2017年を振り返る」と題された2つのトークセッションが開催された。本記事では、その2セッションの模様を紹介していきたい。

 

日本におけるVR/AR/MRデバイスの売り上げは好調

パネルディスカッションに入る前に、Mogura VR編集長である久保田 瞬氏だけが登壇して2017年におけるVR/AR/MRの概観振り返りが10分程度おこなわれた。その後、引き続いて、HTC Nippon  Director, Sales Operation, VIVE JAPANの西川美優氏と日本マイクロソフト テクニカルエバンジェリストの高橋 忍氏が登壇。久保田氏の司会によるパネルディスカッション Part Aがスタートした。

 

まず発言したのは高橋氏。マイクロソフトのMRヘッドマウントディスプレイ「Hololens」の話を中心に、MRとはなにかについて語った。

 

日本マイクロソフトの高橋 忍氏

 

「現実とヴァーチャルをミックスさせたものがMRです。ソフトの中ではVRもARも同じテクノロジーです。現実の部分がたくさんありヴァーチャルなコンピューターによる情報が少ないのがAR。その情報をどんどん増やしていってテクスチャも貼っていき全部がCGになるとVR。ヴァーチャルとフィジカルの現実世界の分量が異なるだけなのです。だから、それを全部総称してMRというひと言でまとめられるようにしたわけです。

ちなみに、Hololensは2017年1月18日に発売されたのですが、日本では予想以上に良いスタートを切りました。ヨーロッパ、オーストラリア8カ国で日本に先行して発売されたのですが、なんと日本ではその8カ国全部の出荷数を足した数の三倍以上が日本における初日のオーダー数でした。VRで良い土壌ができていたところにHololensを投入できたので、他の国に比べても非常に良い初速を迎えられたのだと思っています。

その流れで、2017年の年末にVRよりのMRデバイス『Windows MR』もリリースすることができました。まだ細かい数字は出ていませんが、家電量販店で簡単に購入できたり体験ブースがつくられたりといったところでは、ようやく一般の方たちにも気づきやすいところに持ってくることができたと思っています」

 

HTC Nippon、VIVE JAPANの西川美優氏

 

続けて、発売から2年目を迎えたHTC Viveについて、西川氏がその売り上げ状況について述べた。

「HTC Vive は2017年夏から家電量販店でも売られるようになったこともあり、実績からいうと、2016年トータルでの売り上げよりも2017年のトータル売り上げのほうが台数でいえば上回っていますので、順調に売れているという感じはしています。やはり、2017年の夏に2万円の値下げをしたのが大きかったのですが、モデルチェンジをしていないわりにはコンスタントに売れ続けていますね。

ちなみに、2017年の12月20日~25日にクリスマスキャンペーンでデラックスオーディオストラップのおまけを付けたのですが、それが週対比で3、4倍は売れていました。デラックスオーディオストラップとトラッカーを2017年の初めにリリースしているのですが、そういったアクセサリー類についてはHTC Viveは強力だという印象です」

 

VRコンテンツのクオリティや出来映えは、2017年になって向上してきていると西川氏は話す。

「VRコンテンツが酔わなくなってきたことは実感しています。1年前は、酔わないVRを開発するにはどうしたらいいのか、といった議論をすることが多かったのですが、最近では酔わないVRの開発手法を前提として、さらにそれを踏まえてUIをどう向上させるのかという『より遊びやすいものはどうしたらいいのか』という議論へと移ってきています」

 

2へと続く