2017年9月21日~22日、「ヒルトン東京お台場」にて開催された、オートデスク株式会社主催のカンファレンス「Autodesk University Japan 2017」。このカンファレンスでおこなわれたセッションのうち、今回はAutodesk、DELL、NVIDIAの3社合同で9月22日におこなわれたランチセッションをご紹介したい。
本セッションに登壇したのは、デル株式会社のクライアントソリューション統括本部の担当技術営業部長「中島 章 氏」と技術担当「馬場 勇輔 氏」、エヌビディア合同会社エンタープライズマーケティング マネージャー「田中 秀明 氏」、オートデスク株式会社M&E IXG シニア ソフトウェアデベロッパー「梅澤 孝司 氏」の4名。中島氏が司会進行役となり、3社合同セッションがスタートした。
まず口火を切ったのは、デルの中島氏。「せっかくのランチセッションですので、堅苦しいプレゼンテーション講演というよりは、少しフカジュアルな場にしたいと思いますので、メーカー3社のパネルディスカッション方式で話を進めていきたいと思います」
デルは2016年9月にEMCコーポレーションを買収。アメリカでは「Dell Technologies」のグループ会社「Dell EMC」となり、世界最大のハードウェア機器メーカーへと生まれ変わった。EMCコーポレーションの参加だった「VMware」も、今は必然的にDell EMCの参加となっており、ハードウェアだけでなくソフトウェアも要する一大メーカーとなっている。
「デルは今年で20周年を迎えます。その20周年を記念したモデルとして、2017年10月には新しいワークステーションを投入しています。それはDell Precision 5820 タワーと、Dell Precision 7820/7920 タワーです。ミッドレンジ以上のワークステーションすべて、デザインも刷新しています。ただ、前回のデザインが非常に好評でしたので、それを踏襲するかたちでブラッシュアップしています」(デル馬場氏)
「そのほかに20周年記念モデルはありますか」(デル中島氏)
「はい。モバイル・ワークステーションとして、Dell Precision 5520をラインナップしています。4Kのディスプレイを搭載しながら2kgを切る重量と、薄型で軽いところが特徴になっています。グラフィックスボードは、NVIDIA Quadro N1200を搭載しています」(デル馬場氏)
「ではそろそろ、今回のテーマでもある4K/8Kの話をしましょう」(デル中島氏)
「デルでは2017年に入って、世界初の31.5インチ8K(7680 x 4320ピクセル)モニタ『UP3218K』を発売しました。Adobe RGBカバー率100%で実物に匹敵する表示を訴求しているのが売りです。ただ、8Kモニタは非常に高解像度がありますので、グラフィックスカードがキーポイントとなってきます」(デル馬場氏)
「ではグラフィックスカードの観点から、エヌビディアの田中さんにお話をお願いします」(デル中島氏)
「8K映像ではグラフィックスカードとモニタとの接続に『DisplayPort 1.4』という新しい規格が必要です。従来の規格である『DisplayPort 1.2』ではケーブルが何本も必要なのです。しかしエヌビディアでは2016年10月に第4世代のアーキテクチャ『Pascal』を搭載したグラフィックスカードを発売していますが、これは8K映像の出力にも対応しています。これまで8K映像を出力できるモニタというのは非常に巨大で高価なものしかありませんでしたが、ポータブルなモニタとしてはデルさんの『UP3218K』が初めてですので色々と接続して調べていきたいと考えています。ただ8Kモニタへ出力をするとグラフィックスメモリをかなり使うわけです。NVIDIA Quadro P6000というウルトラハイエンドモデルで24GBのグラフィックスメモリを搭載していますが、最低でもミッドレンジモデルのNVIDIA Quadro P2000(グラフィックスメモリ5GB)クラスくらいはいかないと8Kモニタへの出力は難しいですね」(エヌビディア田中氏)
「4K/8Kで1秒間に60フレーム、2GBのデータが転送されることになりますが、実際に表示するためにはやっぱり、それなりのメモリが必要になると思います。さて、デルのモニタでほかにアピールする製品はありますか」(オートデスク梅澤氏)
「はい。2017年に入ってからもう1製品、HDR10に対応した4Kモニタ『UK2718Q』を発売しています。デザイン的にも8Kモニタと同様、縁が非常に薄いかたちをしていて見た目もかっこいいですね」(デル馬場氏)
(後編へと続く)