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プロのアーティストやスタジオを招いてのクローズドセミナー~「Fusion 360セミナー」レポート(中編)

ソリッドモデリングの簡単さが衝撃でした(小森俊輔氏)

 

――これまでFusion 360の使用経験は?

「Fusion 360を使うのは本セミナーが初めてです。しかも、しかもまったく予備知識なく参加しました(笑)。私は普段、本業とは別に『機動戦士ガンダム』シリーズや『トランスフォーマー』シリーズのようなメカ系キャラクターを半分趣味でつくっています。そこで常々考えていたのは、そのようなメカ系キャラクターを3Dプリンターで出力して立体の造形物にしたら面白いだろうなということ。そして、それがFusion 360で実現できたらと考えてセミナーに参加しました。

 

――初めてFusion 360を触ってみてどのような感想を抱かれましたか?

「私自身、これまで3DCGツールしか使ったことがありませんので、それらのツールとFusion 360とでは作成手順がまったく異なっていることに、まずカルチャーショックを受けました。ただFusion 360を使っていくうちに良い意味での衝撃を感じるようになりました。というのも、ポリゴンモデリングでは曲面に対して穴を開けたり、削ったり、橋渡しのオブジェクトを作成したりという作業が本当に大変なのです。それと比較して、ソリッドモデリングだとこんなに簡単にできるのかという驚きの連続でしたね」

 

――Fusion 360を仕事でも活用できそうでしょうか?

「私の仕事はテクニカル系が中心のため、なかなか業務には直結していかないかもしれません。ただ、私が個人的に興味を持っている3Dプリントの話でいいますと、普段使っている3DCGツールでは強度がどのくらい必要なのかがまったく予想つきません。その点、Fusion 360ならシミュレーションをして強度の予測ができるということなので、なんらかの形でFusion 360を使ってみたいという思いはあります。また、3Dプリントが台頭してきて立体構造物を作りやすい環境にはなりましたが、3DCGツールだとどうしてもかっちりと造形をしてパーツを動かすような設計をしようとするとどうしても難しいところがあります。そこで、全体のパーツはメッシュとして持ってきて、3DCGツールで作成するのには難しい関節部分などをFusion 360で作成するという形ならできそうかなという感想は抱きました。そういった意味ではFusion 360に明るい未来を感じますし、これからは簡単により複雑な立体造形物もできそうだと興奮しながら期待しています!」

 

 可能性を感じさせてくれたCADツールです(ModelingCafe)

 

――これまでFusion 360を使っていましたか?

山家氏「私は少し触ったことがある程度です。普段使っているZBrushと比較して、Fusion 360なら好きなように穴を開けられたり、複数のパーツを組み合わせて動かしてみたり、実際に動くかどうか検証したりといったところが異なっていますね」

藤田氏「私は今日初めてFusion 360を触わったのですが、直感的に操作できるので他のCAD系ツールよりもオーガニックな形状やゆるやかなフォームを作成するのも容易でした。そこに可能性を感じさせてくれました」

ハク氏「私も今日初めてFusion 360を触りました。普段使っている3DCGツールだけでなく、CAD系ツールも使ってみたいと考えていましたので、今回のセミナーに参加して良かったと思っています」

 

――どのような機能に感心を惹かれたでしょうか?

山家氏「Fusion 360でもある程度はポリゴンを作成できますので、ZBrushでパーツを作成し、それをFusion 360と組み合わせることでデザインに活かせそうというところには関心があります。また、衝撃に耐えられる設計であるかどうかを確認して強度設計的に最適なパーツを作成できる『イベントシミレーション』という機能は凄いと感じました。ただ、その機能を使うためには『Ultimate』プランを契約しないといけませんので、金銭的なハードルを乗り越える必要はありますが」

藤田氏「ポリゴンメッシュの制約を排除したことにより、普段使用しているMayaではできない造形の作成を可能にしているところには興味を惹かれますね」

ハク氏「Mayaとは操作方法が異なっているので最初は戸惑いましたが、平面の形状を作成しただけですぐに立体的にしてくれるところには強く関心を持ちました。『もっと勉強して使いこなしてみたい!』と感じさせてくれるツールですね」

 

――ModelingCafeが得意としているモデリングには活かせそうでしょうか?

山家氏「私たちが日頃使っているZBrushとMayaでは作成しにくいもの、たとえば穴が一杯開いている形状などを作成していくのには活用できそうかなと感じています!」

 

後編)へ続く