去る2017年4月12日、東都京都千代田区にある富士ソフトアキバプラザのアキバホールにおいて、クリエイティブツール「Substance」を紹介するイベント「Substance Days Tokyo 2017」が開催された。主催はSubstance製品の開発・販売をおこなうAllegorithmic社と、Substance製品の日本総代理店であるボーンデジタル社。
今回のイベントでは、Allegorithmic社CEOであるSebastien Deguy氏が過去から現在までのSubstanceの動向と今後の開発やサービスなど、さらにはSubstanceの未来までを語ったほか、Substance テクニカルアーティストであるWes McDermott氏が最新のSubstance情報や新機能を紹介。続いて、SubstanceマスターであるシニアエンバイロメントアーティストであるMark Foreman氏と、スクウェア・エニックス社のエンバイロメントアーティストである和田 光氏の2名がそれぞれ、Substance DesignerとSubstance Painterの制作手法やテクニックを紹介した。丸一日にわたる長丁場のイベントであったが、イベント後には懇親会を開催。Allegorithmic社、ボーンデジタル社のスタッフと、Substanceユーザーとの交流が実現した。
イベントの冒頭に登壇したのは、Allegorithmic社のCEOであるSebastien Deguy氏。「Substanceの現在と未来」と題されたKEYNOTE講演がスタートした。まず話をしたのは、「Substance Daysとはどのようなイベントであるのか」という紹介からである。
「Substance DaysとはSubstanceユーザーのコミュニティー向けに開催されているイベントです。最初に開催したのは2016年のアメリカ・ハリウッドでした。そしてその後、さまざまな国のSubstanceユーザーと実際に会って交流をしたい、という考えからSubstance Daysを開催するにいたりました。なお、Substance Daysが日本で開催されるのは今回が初めてであり、アメリカ以外で開催されるのも初の試みとなります」
Substance Daysでは、Allegorithmic社のチームメンバーがSubstanceユーザーと実際に会って情報交換をするだけでなく、Substanceを活用するアーティストからSubstanceに関する情報をユーザーに伝えていきたいと考えているという。
Substance製品の開発・販売となっているAllegorithmic社は、Sebastien Deguy氏が2003年にフランスで設立した会社である。もともとはデジタルでさまざまな技術を開発してきた企業であり、クリエイター向けのペイントツールやグラフィックツールを開発し販売してきた。その流れを受けてテクスチャー作成のためのツールであるSubstance Designerと、次世代のペインティングツールであるSubstance Painterを発売。今では業界のスタンダートツールへと成長している。ただ同社は設立からすでに14年が経過しているため、CG業界における企業としては古い部類に入るといえるだろう。
そして現在、急成長を遂げているAllegorithmic社はワールドワイドで活躍している。拠点がフランスやアメリカにあるほか、シンガポール、韓国にも存在している。間もなく、カナダのモントリオール、イギリスのロンドンにも拠点を開設する予定だという。
「ユーザーに対してベストなサポートを提供していきたいということから、さまざまな国に拠点を設けています。ただ、日本に関してはボーンデジタル社が当社の総代理店として動いていますので、Allegorithmic社の東京オフィスというものは開設していません。現在、ボーンデジタル社とは良好な関係を築いていますので、日本オフィスの設立は当面必要ないと考えています」
Allegorithmic社は今後も、日本におけるSubstance製品の販売・サポートはボーンデジタル社に任せていく方針だ。
(後編)に続く