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Shotgunセミナー-そんな使い方あり!?『ShotgunでShot、Asset以外を管理する!』(後編)

活用例:2Dデザイン

続いて紹介された具体例は、最近ソーシャルゲーム系の会社で使われている2Dデザインのパターン。

作る素材名のリストがあり、ラフ画や線画などのステータスを管理している。この2D(2Dデータ管理)とは別管理の3D Entity(3Dモデル管理)もある。2Dリンクという項目には関連するキャラクター名が入っており、2Dと3DのEntity間のリンクが可能になっていた。2Dと3Dのリンクのみならず、既存のタスクと追加のタスクとの複雑な関連付けが多いソーシャルゲーム開発では、さまざまな独自のEntityとのリンク設定がされ運用されているとのことだ。

 

活用例:アセット管理

よく使われるやり方としては、アセット管理もあるという。これは社内にある、これまで作ってきた素材をShotgunで管理するという想定のものだ。Effect Entity(エフェクト素材)やAnimation Entity(アニメーション素材)、Texture Entity(テクスチャ素材)が設定されている。
Effect Entityではファイアやスモーク、エクスプロージョン、ウォーター、スパークといった素材をカテゴリーで分類。選択した項目には実際のZIP化されたデータがアップされている、ローカルへのファイルのリンクが貼られている、というデモが行なわれた。
素材を探すときは、フィルターから「Fire」「ソフトウェアはMaya」といったチェックを入れていくことで、リストが更新されていく様子も確認できた。

デモ:アセット管理

デモ:アセット管理

 

活用例:研修管理

研修管理は、完全にショットやアセットと関連のない活用法だ。
ここではLearning Entityを作成し、研修のステップ1、ステップ2、ステップ3といった工程が表示されている。実施期間や終了したものなどが管理でき、シンプルビューでは全体の進行をパーセンテージなどでチェックでき、スケジュールでは対象者のスケジュールを表示し、管理者が変更できるというものだった。研修用の動画や資料などもShotgunに置いておけるとのことだ。

 

活用例:社内周知

こちらは、Shotgunを社内の連絡ツールとして使う方法。カテゴリーは周知事項、注意事項、お知らせ、イベント、募集など。「ノートPC探しています」「早く返してください」といった中身に対して、コメントを書いたりデータを添付したりできる。
〝ネーミング募集〟や〝機材の申請期限〟といった項目なら、PipelineStepを追加し開始日と終了日を入れておくことで、タスク管理もできる。

デモ:社内周知

デモ:社内周知

 

活用例:プロジェクト受注管理

最後に紹介されたのは、プロジェクト受注管理だった。これは「Shotgunを既に導入されている方に試していただきたい」「まずは、少ない本数のShotgunで管理してみたい場合」のとっておきのものだとのこと。

作成しているCustom Entityは、〝Project Entity〟。まだスタートしていないプロジェクトを管理するもので、「プロジェクトAは商談中」「プロジェクトBは成約済」「Fは保留中」といった情報を一覧表示できる。
受注した場合の予測の期間、工数、チーム、担当を仮組みし、制作物の物量や年間スケジュール、現状のプロジェクトの進捗を見ながら、受注にむけて管理者がコストを含めて、どのように案件の受注をジャッジしていくかを想定した作りになっている。

管理者が見るものなのでライセンスは1つでいい。商談中・保留・成約で並べられるだけでなく、アニメ・CM・テレビ・映画といったジャンルや開始日順で並べられるのも、Shotgunならではの設定だ。
通常のスプレッドシートと違う点として、全プロジェクトの進捗状況を見られるページや、過去の映像や工数などをまとめたページを追加することで、スタジオの状況を一元管理できるようにカスタマイズしているという内容が紹介された。

デモ:プロジェクト受注管理

デモ:プロジェクト受注管理

 

ライセンスや価格について

また、ライセンスの取り方についても具体的な解説があった。
判断する基準は「2種類の使い方のどちらが適切か」だという。ひとつは、Excel的な使い方。これはスケジュールの管理者だけが使えればいいので、社員などにライセンスを配布する必要はない。
もうひとつは、管理者と社員などがShotgun上でやり取りする使い方。こういった使い方が効率的なら、社員などやり取りする対象全てのライセンスを用意したほうがいいということだ。

気になるお値段についても、説明が行なわれた。株式会社ボーンデジタルで扱っているのは年間契約のみで、Awesome Support 3万3720円、Super Awesome Support 5万6210円。これが1ライセンスの価格となる。Super Awesome Supportの大きなメリットは、IPアドレス制限への対応。運用形態にもよるが、現在半々くらいの契約数だという。

最後に、Shotgunのトライアルについて、10分くらいでサイト開設できることなどが紹介された。
サイト名の登録時に入力したURLは、正式運用に引き継がれる、株式会社ボーンデジタル独自の特典としてテンプレートを作成するといった情報もあった。テンプレートは、使用しているスプレッドシートなどを見せて相談しながら一緒に作る、時間がなければリストを送って作ってもらう、というやり方が選べるという。
Shotgunはさまざまな工程管理ツールとして利用できるものと分かる、非常に有意義なセミナーだった。

 

※参考リンク
導入企業からの声