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Shotgunの伝道師に聞く、導入のメリット(後編)

──クラウドは、どのストレージサービスを利用しているのでしょうか。

トキトウ氏「クラウドはAWSとTierPoint、2カ所での管理ですね。静止画や動画といったメディアデータがAWS、メディアデータ以外の情報がTierPointに保存されます。TierPointは、ログインにも使っています。
AWSでは、最近東京サーバーも選べるようになりました」

──クラウドの安全性については、いかがですか。

トキトウ氏「AWSは日本の銀行でも利用が進んでおり、非常に安全なクラウドということで採用しています。ちなみに、ローカルサーバーでの運用には対応していません。ローカルサーバーにデータをリンクさせる、という連携はできるようになっています」

「仕様書」や「参考画」「作業データ」などのローカルデータをリンクさせることができる。

──重要なデータを扱う企業が安心できる対策はありますか。

トキトウ氏「Shotgunには、セキュリティを高めるオプションもあります。2種類の契約形態のうち上位のSuper Awesome Supportをご契約いただくと、IPアドレスを使ったアクセス制限ができます。社外とやり取りする場合、固定IPを持つ会社はそのIP以外からアクセスさせない設定も可能です。
さらに、スマホとログイン情報を紐づける2段階認証にも対応しています。こちらは、どの契約形態でも利用できます」

──ShotgunにはAPIも用意されているとのことですが、どんなことができますか。

トキトウ氏「Shotgun APIはPythonでスクリプトを書いて生成、読み取り、更新、削除が自動実行できます。たとえば、通常Shotgunへのデータアップロードは手動ですが、データを社内サーバーの特定のフォルダーに入れるだけで、まとめてShotgunにアップロードすることが可能になります。
イベントトリガーデーモンを使って、上流タスクのステータス変更が発生したら、下流タスクのステータスを自動で変更する、という使い方もよくされています」

──ユーザーは、自社ツールとの連携スクリプトも書けるわけですね。

トキトウ氏「そうですね。Shotgunのいいところは、エンジニアがいなくても、デフォルトのままエクセルと同様に使えるという部分です。そういう使い方をしている会社さんもたくさんいらっしゃいます。
逆に、元々自社にあるツールとShotgunをAPIで繋ぎ、有効に活用されている例もあります」

──企業の環境、ニーズに合わせて様々な使い方ができるのですね。Shotgunは多機能だとのことですが、プロジェクト管理以外にも使えるのでしょうか。

トキトウ氏「ShotgunはMayaや3ds Maxの作業データ管理に使うもの、と思われがちですが、実はデータベース構造を活かした情報共有ツールとしての使い方が多くなっています。
社内のアセットのデータベース管理ツール、社内周知ツール、QAツールといった使い方も可能です。私も実際サポート管理に使用していて、誰とどういうお話をしたか、いつまでご契約いただいているか、全部Shotgun上で記録しています。

カスタマイズ例1、アセット管理

カスタマイズ例1、アセット管理

カスタマイズ例2、社内周知

カスタマイズ例2、社内周知

ShotgunはVFXに限らず、他業種の製作工程でもデータ管理に使えるツールです。私はそういう方向にも広がっていくのではないか、と期待を持っています。
本当に多機能でできることはとてもたくさんありますが、どの項目を拾って組み立てればその会社にあったテンプレートになるか、最初が一番難しいところです。ここをお手伝いするのが自分の役目かなと思っています。
導入して運用していただくと、『再びスプレッドシートには戻れない』というお声は多数あります」

──「できればテスト運用してみたい」という企業もあるかと思いますが、試用は可能ですか。

トキトウ氏「はい、トライアル期間があります。最大90日まで延長が可能で、検証していただきやすいよう、スタジオに合わせたテンプレート作成やトレーニングを無償で行なっています。導入するしないにかかわらず、ご利用いただけますのでぜひご活用ください」

──90日あれば、じっくり試せますね。ありがとうございました。

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