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『render PRO』の導入で、レンダリングの概念が変わる?(後編)

『render PRO』はCGワークやアニメーションのワークフローの中で最もマシンパワーが必要となる、レンダリングに特化した「パーソナルレンダリングシステム」だ。render PROの日本正規代理店であるトーワ電機株式会社の小島氏にお話を伺った。

──M&Aが活発な業界では「常に先取り先取りで新しい技術を」というところもあります。それに比べて日本のプロダクトや建築では、常に最先端をという考え方ではないような気もします。

「まだそうなっていませんね。海外ではそうやってデザインを作る会社もあるので、作業性を上げていかないと海外に全部搾り取られてしまいかねません。
デザインは言語不要なので、アジアで伸びています。しっかりやらないと、とられますね」

──今まで「ものづくりと言えば日本だから」と、胡座をかいている部分もありました。

「『効率化ではアジアだと日本がトップ』と言っていましたが、他の国も上がってきている。いかにデザイン性を上げるか、レンダリングの時間を短くするか、テクニカルの部分で生産性を上げないと厳しいと思います」

──そこにまだ乗り切れていない業界も多いと思います。そこにrender PROなどを導入していく上でのメリットを説く場合、どういったポイントを一番強調されますか。

「基本的には速さですね。作業性についてはデザインだけ作るのならCPUのクロックが速いものを、グラフィックを使うならグラフィックスカードも追加したものをご案内しています。
レンダリングを短くしたいのであれば、CPUが最大限速いものを紹介します。さらにレンダリング特化なら、render PROなどレンダー製品ですね」

──会社の規模では、どのようなところから引き合いが多いのでしょうか。

「大手よりも、小さい会社から多く問い合わせをいただいています。小さいスタジオなら小回りが利きますが、大手ではまだまだ『こういった製品は採用できない』、『予算としてできない』といったハードルがありますね」

──こんな作品にも、というのは他にありますか。

「最近ではCG美少女『Saya』もBOXXを使ってもらっています」

──なるほど、女子高生の。導入することによって、ベンチャー系や小さい規模で先進的なことをやっているところは、自分たちの技術やアイデア、試してみたいことをやりやすくなる。

「そうですね。そういったところから、アイデアがデザインに変わっていくと思います」

──古いプロダクト屋さんが部分的に導入する、この業務だけ、こう使ったら効率的になるという勧め方もありますか。

「そうですね。render PROは良い例で、チームで使うという方法がありますね。パーソナルで持つのが一番ですが、予算的に厳しい。しかし、導入することで時間短縮になればと思います」

──可能性はたくさんありますね。最後にアピールポイントはありますか。

「BOXX製品はGPUを使う人にも、CPUを使う人にも販売できる製品ラインナップになっています。どういったアプリケーションを使っているかわかれば、幅広くご紹介できます。
一番いい点は静音性ですね。CPU100%でもほとんど動作音が聞こえない、30dbくらいです。ただ、レンダリングは50db近くです」

──小規模なチームで使うのにいいですね。

「プレゼンするときに、唸らせるわけにはいかないですからね。拡張性もすごくいいと思います。ここまでできるのは、HPさんやDELLさんではなかなかないと思います。
あとはアプリケーションごとに適切なハードウェアを選んでいただくことで、効率的にワークフローを引き出せるという点です。ソフトウェアと一緒に作るハードウェア、これはアメリカのBOXXも我々も同じ意識でやっています」

──ありがとうございました。